シリア暫定政権の大統領府は3日、同国北部で「爆破テロ」が発生し、市民ら20人が死亡し、多数が負傷したと発表した。シリア北部では対立する武装勢力による衝突が続いており、情勢が不安定化している。
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在英のNGOシリア人権監視団(SOHR)によると、トルコが支援する武装勢力シリア国民軍(SNA)の支配下にあるマンビジュで自動車が爆発し、市民らが犠牲になった。死者の大半が女性だったという。マンビジュでは1日にも、SNAの戦闘員や市民ら9人が死亡する爆発があったという。ロイター通信によると、3日の爆発に対する犯行声明は確認されていない。
アサド前政権の崩壊後、過激派組織シャーム解放機構(HTS)が主導する暫定政権は、国内に割拠する武装勢力を政権軍の統制下に置くと宣言。だが、シリア北部ではSNAと、米国の支援を受けるクルド人主体の武装勢力シリア民主軍(SDF)の衝突が続いており、国内の安定は見通せないままだ。